体型からわかる人類の歴史①(「狩猟民族」と「農耕民族」)

 今やっているオリンピックで羽生、宇野の両選手を皆さん応援していますが、両選手を見て皆さんはどう思いましたか? 羽生選手と宇野選手の演技を見て、やはり羽生選手の方がかっこいいですよね。

 宇野選手も技術もあって頑張っていますが、羽生選手ほど、見栄えがしません。その最大の理由は足が短く、胴体が長く、頭が大きいからです。これは、日本人の典型的な体型です。そういう意味でも、日本人代表です(笑)。

 羽生選手は、逆に足が長くて、銅が短く頭も小さい、つま日本人的な体型ではありません。欧米系のスタイルです。フィギュアスケートは、欧米で始まったスポーツなので、欧米系の体型の人に合うのですね。 

 ですから、宇野昌磨選手が一生懸命に演技しているのに、体型的に不利なのはどうにもなりません。いわゆる、形の上での美しさは難しいので、彼は技術点で頑張っています。

 私から言わせてもらいますと、四回転や三回転ではなく、とんぼ返りでも決めたらいいと思っています(笑)。そこまで出来たら大したものです。彼にはそういう、人には出来ないようなものを何かしてもらいたいですね。

 何故そのような話をするのかと言いますと、これは本日のテーマの『日本の歩むべき道』にしっかりと関係があるからです。 

 前半でお話しするのは、私が普段、ダルボイ・アカデミーで受講生の諸君にお話をしてきたことと重なります。ダルボイ・アカデミーで、私の講座を受講している人は手を挙げてみてください。(塾生二十数名、お母様方十数名挙手する)沢山いますね。ありがとうございます。

 塾生諸君には話したことがありますが、物事を考えるにはまず歴史を考えなければならないということです。明治時代や、江戸時代の話ではなく、もっと前の何万年もの昔から考えないといけません。そういう大昔から、歴史は人間の気持ちや行動や考え方を築き上げてきました。

 先ほど話した羽生選手の体型と宇野選手の体型とは、見事に人類の歴史の姿を表しています。そこから説明します。

 人類の歴史はアフリカから始まりました。アフリカからやがて中近東やヨーロッパ大陸に出て行き、広がっていきます。その後、インドの方から中国大陸へと渡っていきました。人類はそういう形で広がっていきました。

 歴史的な記録ではヨーロッパがはるか昔から続いており、世界の中心部であるイメージがありますが、実は史実の古い記録はアジアが中心で、中国がずっと記録を残しております。記録に残っている歴史よりももっと昔になりますと、全世界で皆同じような生活をしていました。

 当時の人々は、食べるものを求めることを第一としていました。ではどうやって手に入れたかといいますと、木の実を拾っていました。

 しかし、それだけではやはり満足できないので、動物を狩り、食べていました。動物でも狩りやすい足の遅い動物を狙いますが、そういう動物は少ないため、足の速い動物も狙わなければいけません。人間には知恵がありますから、そういう動物を捕まえるために、弓矢を考え出して、狩りをしていました。

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